秋は紅葉やコスモスなどの美しい景色が目を楽しませてくれますね。それと同じように、秋の味覚も色とりどりで魅力的です。
オレンジ色の柿やかぼちゃ、紫色のぶどうやさつまいも、黄色の梨やゆずなど、これらの旬の食材は、見た目だけでなく、味わいと栄養価も抜群です。
ビタミン、ミネラル、抗酸化物質など、美肌や免疫力を維持するために必要な栄養素が豊富に含まれています。
夏のダメージから回復し、冬に備えるためにも、秋の味覚を積極的に食べましょう。
この記事では、秋の味覚をおいしく食べて、美肌と健康を手に入れる方法をご紹介します。
旬のきのこ類、根菜類、果物などが持つ栄養素や効能はもちろん、おすすめの食べ方もご案内します。秋の味覚を楽しみながら、美しさと健康を高めていきましょう。
きのこ類は、栄養豊富で低カロリーなため、健康食材として人気があります。特に、ビタミンDとミネラルが豊富で、肌の古い細胞を取り除き、新しい細胞を作ることを助けます。骨や歯を丈夫にする効果もあります。
さらに、β-グルカンという成分が、免疫力を維持し、血糖値やコレステロール値を下げる効果もあります。
秋に旬を迎えるきのこ類には、まいたけ、なめこ、生しいたけなどがあります。それぞれの特徴や効果、おすすめの食べ方をご紹介します。
まいたけは秋から冬においしい時期を迎えるきのこです。
まいたけには、β-グルカンという成分が多く含まれています。この成分は、体を守る免疫細胞の働きを活発にします。また、病気の原因になる菌をやっつける殺菌作用を高めます。
他にもMXフラクションというまいたけ特有の成分があり、基礎代謝を上げたり、内臓脂肪を減らしたりすることで、ダイエット効果も期待できます。
さらに、肌荒れを防ぐビタミンB2や肌の潤いを保つトレハロースなどが含まれていて、美肌効果を高めます。
まいたけは、サラダやスープなどに入れると、シャキシャキとした食感が楽しめます。天ぷらや唐揚げにしても風味豊かです。
なめこは、ぬめり成分がたくさん含まれているきのこです。このぬめり成分に含まれるペクチンなどの粘性物質が、肌の水分保持能力を高めて、肌が乾燥しないように水分をしっかりと保つ力を強くします。
また、ナイアシンや葉酸などのビタミンB群も豊富で、肌の新陳代謝を促したり、皮膚の炎症を防いだりします。
なめこは、味噌汁や和え物などに入れると、ぬめりが口の中でとろけます。オムレツやパスタなどに混ぜると、もっちりとした食感が味わえます。
しいたけは日本で古くから栽培されているきのこです。
生しいたけに豊富なビタミンDは、カルシウムの吸収を高めて骨を丈夫にします。また、ビタミンB群やナイアシンなどが皮膚や粘膜の保護や新陳代謝を促し、肌荒れやニキビの予防にも役立ちます。
生しいたけは、スライスして炒め物や煮物にしたり、丸ごと焼いてしょうゆやバターで味付けしたりすると、香ばしくておいしいですよ。
秋から冬にかけては、根菜が特においしい季節です。根菜は、ビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富で、風邪予防やお腹の調子を整えるのに役立ちます。さらに、ビタミンCは、コラーゲン生成を促し、肌の弾力性を高めます。
秋に旬を迎える根菜類は、ごぼう、さつまいも、大根などがあります。それぞれの特徴や効果、おすすめの食べ方をご紹介します。
ごぼうは食物繊維が豊富で、便通を良くする効果があります。さらに、ごぼうに含まれるイヌリンは、善玉菌を増やして、腸内フローラのバランスを整えます。
カリウムやマグネシウムなどのミネラルも多く、高血圧予防やむくみ解消などにも効果的です。
ごぼうは、ささがきや千切りにして、きんぴらや炒め物、サラダにすると、シャキシャキとした食感が楽しめます。煮物や鍋に入れるとやわらかく食べやすくなります。
さつまいもはビタミンCやカリウム、食物繊維が豊富で、美肌効果や免疫力向上に役立ちます。さらに、さつまいもに含まれるデンプン質はレジスタントスターチと呼ばれるもので、消化されにくく吸収されにくいため、血糖値の上昇を抑える作用があります。これはダイエットにも効果的です。
さつまいもは、甘みがあるためそのまま焼いたり蒸したりするだけで十分おいしいですが、大学芋やスイートポテト、おいもプリンなどのスイーツにしても楽しむことができます。
大根は、水分とビタミンCが豊富で、体内の水分バランスを整え、皮膚や粘膜の健康を保つのに役立ちます。また、ビタミンCは、風邪予防や風邪の症状軽減にも効果的です。
大根のビタミンCは、特に葉に多く、根の部分では皮のあたりに多く含まれています。
大根は秋から冬にかけておいしくなり、甘みがあってみずみずしくやわらかいのが特徴です。サラダや漬物、おろしポン酢など生で食べたり、煮物やスープ、鍋など加熱して食べたりと、色々な調理法で楽しんで下さい。
秋は果物が豊富な季節です。旬の果物はビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化物質が多く、肌の美しさや健康をサポートします。
抗酸化物質は、体内の活性酸素を除去し、細胞の老化を防ぐことで、肌のハリや弾力を保ちます。また、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、シミやそばかすの予防にも効果的です。さらに、これらの栄養素は免疫システムを強化し、風邪や感染症から体を守る助けとなります。
秋に旬を迎える果物は、柿、梨、ゆずなどがあります。それぞれの特徴や効果、おすすめの食べ方をご紹介します。
柿は甘さと独特の食感が特徴の果物です。
ビタミンCやカロテンが豊富で、風邪予防や目の健康維持に役立ちます。特に、柿にはビタミンCがたっぷり含まれており、一つの柿で1日に必要なビタミンCを摂取することができます。また、柿に含まれるカテキンは抗酸化作用があり、アンチエイジング効果も期待できます。
柿は、そのまま食べたり、干し柿にしたりします。干し柿は水分が減って糖度が上がるため、より甘くておいしくなります。
梨は水分や食物繊維が豊富で、便秘の解消に役立ちます。また、アスパラギン酸やクエン酸などの有機酸が多く含まれているので、疲労感を軽減する作用があり、夏バテや秋バテの回復にも効果的です。
梨は、そのまま食べたり、ジャムやコンポートにしたりするのがおすすめです。梨のジューシーさとシャキッと感は、爽快な感覚を与えてくれます。
ゆずはレモンに匹敵するほどのビタミンCを含むかんきつ類です。ビタミンCは風邪の予防だけでなく、コラーゲンの生成にも必要な栄養素です。コラーゲンは肌や髪、爪などの美しさを保つ効果があります。
ゆずの良い香りは、リモネンとユズノンという成分によるもので、ストレスや疲労を軽減し、気分を明るくする効果があります。
ゆずは、皮をすりおろしてポン酢やゆず胡椒にしたり、果汁を絞って炭酸やお湯で割って飲んだりするのがおすすめです。爽やかな香りと酸味で、心も体も元気になりますよ。
秋はおいしい食べ物が豊富な季節ですが、それらは味覚だけでなく、美容や健康にも良い影響を与えてくれます。
この記事では、秋に旬を迎える食材の中から、きのこ類、根菜類、果物の3つのグループに分けて、それぞれの特徴や効果、おすすめの食べ方をご紹介しました。
これらの食材は、ビタミンやミネラル、抗酸化物質など、秋の乾燥や感染症に対抗する栄養素が豊富に含まれています。
秋の味覚を上手に取り入れることで、肌や体を内側から潤し、免疫力を高めることができます。ただし、食べ過ぎは禁物です。バランスよく食べることが大切です。
秋の味覚は、おいしさだけでなく、美しさと健康のためにも欠かせません。今回ご紹介した知識を活用して、秋の味覚をぜひ試してみてください。
《参考URL》
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
日本の食材帖実践レシピ 吉田企世子監修/主婦と生活社発行
管理栄養士 山田 由紀子
乳幼児からご高齢者まで延べ1000人以上の栄養指導・食事相談を10年以上実践。
食情報の専門家として、栄養・料理・健康にかかわる記事の執筆、監修、レシピ作成等を行うほか、健康料理教室、味噌づくり教室、梅仕事の会を主催。
体質改善ではじめた発酵食づくりに魅了され、味噌、甘酒、塩麹、豆乳ヨーグルト、ぬか漬け、天然酵母パンなどを自宅で作り、「腸から元気になる食事」の研究に邁進中。