月のリズムで酵素プチ断食のススメ

 

岡部賢二(おかべ けんじ)
日本玄米正食研究所所長、フードアンドメディカルコンサルタント

 

近年、生活習慣病でお悩みの方が多いですが、その解決法の一つとして、酵素飲料を飲みながらのプチ断食がおすすめです。

なぜなら、生活習慣病は飽食やグルメの地域で多発し、素食の国では少ない傾向がみられることからも、食べ過ぎが一因だと考えられます。

 

食べ過ぎるとお腹の中で不完全燃焼のような状態が引き起こされます。
そうするとスス (老廃物)やガス(体臭)が増え、下着やシャツが汚れやすくなります。
おならや便の臭い が臭くなってきたら燃焼状態が良くないと思われます。

 

不完全燃焼とは腸内腐敗のことです。腸内で食べ物を腐敗させる菌のことを悪玉菌といい、腐敗毒素は肝臓や腎臓に運ばれて処理されます。
この処理が追い付かなくなると汚れが血液中に垂れ流され、血液が汚れることによって
痛みや炎症、腫瘍といった症状が出てきます。

 

反対に少食や素食、時々プチ断食をすると完全燃焼状態となり、有害なガスやススが出ず クリーンエネルギーがもたらされます。
そして、燃費や馬力が向上するため、疲れにくい強靭な体力が培われます。
完全燃焼状態とは腸内発酵状態のことで、食べ物を発酵させる菌を善玉菌といい、善玉菌が優位なら、人体に必要な栄養素や免疫物質を自前で作り出してくれます。

 

薪ストーブは燃やす薪の種類によっても燃焼状態が変わります。
悪玉菌の好むエサは分 子量の大きい脂肪とタンパク質です。
したがって、肉や魚、卵、乳製品といった動物性食品や脂肪分の多い揚げ物や炒め物が多い食事をしていると腸内腐敗が起こりやすくなります。

 

一方、善玉菌は分子量が小さなでんぷん質(糖質)を好むので、野菜や穀物、海藻、きのこ、 野草、果物といった複合炭水化物をしっかりと食べるようにしていると、腸内環境が良くな ります。

 

 

不完全燃焼状態のストーブに火のついた薪を投入すれば、くすぶった炎の勢いが増し、完 全燃焼に変わります。
火のついた薪に相当する食べ物は体外で発酵した発酵食品です。
分子量の小さな発酵食品は、腸内で善玉菌の大好きなエサとなり、即座に燃焼状態を良い状態に戻してくれます。
したがって、味噌や醤油、お酢、みりん、料理酒、塩こうじ、甘酒といった麹発酵食品を料理に用いることで、腸内環境が改善します。
糠漬けや味噌漬けといった漬 物や納豆もおすすめです。

 

しかし、問題は、発酵食品の質が落ちてしまったことです。
伝統製法の味噌や醤油を作るには1年~3年の歳月がかかります。添加物を用いれば速く作れますが、風味や栄養価が極 端に落ちてしまいます。
そこで、数十種類の野菜や野草、果物などを配合した酵素飲料がおすすめです。
不完全燃焼状態を引き起こしやすい動物性食品や、ビタミンやミネラルといった着火剤のない白砂糖や白米、精白小麦粉といった精白食品が好きという方には、食後に酵素飲料を少量飲むことで、着火剤として働いてくれます。

 

さらに、月のリズムを使って酵素断食をすると、効果が増します。

 

新月はデトックス力が最大になる周期なので、薬や添加物、重金属といった化学合成物質を排泄、解毒、浄化、洗浄したければ、新月の日を選んで夜1食抜いて、酵素飲料を飲みながらプチ断食をすることをおすすめします。
精神的には執着心を手放し、解き放つ日なので、常習性、習慣性のある嗜好品を止める絶好の機会でもあります。

 

 

逆に満月は消化・吸収力を高めるパワーが増す周期なので、胃腸の強化としておすすめし ます。
また、傷んだ細胞や血管の再生や修復を促す周期でもあるので、術後の養生法として満月の夜1食抜き、酵素を用いたプチ断食を試してみてください。満月のエネルギーは「つながる」パワーなので、人との交流や大地とのアーシング、自然や宇宙との一体感を味わう瞑想などに向きます。

 

生理周期が不規則という方で、新月と満月の夜抜き酵素断食をしばらく続けたところ、生 理のバランスが整ったという報告が届きました。
生理のことを「月のもの」とか「月経」と いうように、女性は月のリズムと共鳴するバイオリズムをもっています。ホルモンバランスが悪いという方もぜひ、月のリズムを用いたプチ断食を実践してみてはいかがでしょうか。
きっと、心地よい変化が起こるでしょう。

 

酵素プチ断食の際の酵素の摂り方としては、100ccの酵素を同量の水で薄めてペットボト ルやマグボトルに入れ、お腹が減ったら1口から2口飲むようにします。
比較的、お腹が空かずに楽に実践できます。

 




日本玄米正食研究所所長、フードアンドメディカルコンサルタント 岡部賢二(おかべ けんじ)

大学在学中に渡米し、肥満の多さに驚き「アメリカ社会とダイエット食品」をテーマに研究。
日本の伝統食が最高のダイエット食と気づいた後、正食と出会う。
正食協会講師として活動の後、2003年福岡県の田舎に移り住み、日本玄米正食研究所を開設。
農業の勉強のかたわら、マクロビオティックや食育の講演や健康指導で全国を回る。
著書に「マワリテメクル小宇宙~暮らしに活かす陰陽五行」(ムスビの会出版)、「月のリズムでダイエット」(サンマーク出版)、「ぐずる子さわぐ子は食事で変わる!」(廣済堂出版)、「家族を内部ひばくから守る食事法」(廣済堂出版)、「からだのニオイは食事で消す」(河出書房新社)、「月のリズムで玄米甘酒ダイエット」(PARCO出版)がある。

 

 

 

カテゴリ一覧