夏野菜と発酵食品の相性抜群!腸内環境を整えて残暑を乗り切ろう

 

 

夏も終わりに近づいていますが、まだまだ暑い日が続きますね。残暑の時期は、疲れがたまり食欲が落ちたり、冷たい飲み物でお腹が冷えたりして、腸内環境が乱れやすくなります。腸内環境は全身の健康に関わるので、食生活で整えることが大切です。

 

そこでおすすめなのが、夏野菜と発酵食品の組み合わせです。
夏野菜は水分やミネラル、ビタミンや食物繊維などを補給できます。発酵食品は乳酸菌や酵母などの腸内で健康に役立つ菌を増やしてくれます。この二つを一緒に食べることで、腸内環境を改善し、夏バテや熱中症の予防にも効果的です。

 

この記事では、夏野菜と発酵食品のそれぞれの効果と、おすすめの組み合わせ方をご紹介します。残暑を元気に楽しむために、ぜひ参考にしてください。

 

夏野菜の効果(水分補給・栄養補給・熱中症予防)

 

 

夏野菜とは、トマトやキュウリ、ナス、オクラ、ズッキーニなど、夏に旬を迎える野菜です。8月頃になると収穫量はピークを迎え、甘みやうまみが強く感じられます。また、安く手に入りやすくなるので、たっぷり食べて栄養補給ができます。
夏野菜を食べることで、以下のような効果があります。

 

1)【水分補給】カリウムが新陳代謝やむくみ予防に

 

夏野菜は水分が多く含まれているので、水分補給に役立ちます。特にトマトやキュウリは90%以上が水分です。また、体温調節や新陳代謝に必要なカリウムも豊富です。
カリウムは塩分と結合して尿として排出されるので、血圧の安定やむくみの予防に効果があります。

 

2)【栄養補給】ビタミンや食物繊維が肌や腸に良い

 

夏野菜は、ビタミンや食物繊維もたっぷり含んでいます。これらの栄養素は、肌や腸の健康に重要な役割を果たします。
例えば、夏野菜には抗酸化ビタミンと呼ばれるビタミンAやCが多く含まれています。抗酸化ビタミンは、紫外線や活性酸素から肌を守り、シミやしわの予防に効果があります。また、免疫力に作用して感染症やアレルギーの予防にもつながります。

 

食物繊維は、便通をうながしてお腹の調子を整えたり、血糖値やコレステロール値の上昇を抑えたりします。
夏野菜を食べることで、肌や腸の健康維持に必要な栄養素を効率的に摂取できます。

 

3)【熱中症予防】体温を冷まして疲労回復

 

夏野菜には体を冷やす効果があり、体内にこもった熱をクールダウンしてくれます。これは夏野菜に含まれる水分やカリウムが汗と一緒に体外に排出されることで、体温調節を助けるからです。暑さで体温が上がると、熱中症や倦怠感、頭痛などになりやすいので、夏野菜を摂ることで快適に過ごせます。

 

また、トマトやナスには、リコピンやナスニンなど、抗酸化作用のある成分が含まれています。細胞の老化を防いだり、乳酸などの疲労物質を排出したりして、筋肉や神経の疲れをとって疲労回復につながります。

 

夏野菜は色々な料理に使えるので、毎日飽きずに摂ることができます。サラダや冷製スープなどのさっぱりしたものから、カレーやグラタンなどのこってりしたものまで、自分の好みに合わせて選びましょう。

 

発酵食品の効果(腸内環境改善・栄養価アップ・消化吸収良く)

 

 

発酵食品とは、納豆や味噌、ヨーグルトなどに代表される食品で、微生物によって食品の成分が変化したり、新たな成分が生成されたりしたものです。
発酵食品には、以下のような効果があります。

 

1)【腸内環境改善】発酵の力で腸を守り免疫力維持

 

発酵食品には乳酸菌や酵母などの腸内で有益な働きをする菌が含まれています。これらの菌は、腸内で炎症やアレルギーを引き起こす菌を抑えて、腸の動きをスムーズにします。
その結果、便秘や下痢など消化器系のトラブルを予防し、免疫機能を正常に保ちます。
さらに、これらの菌は腸内でビタミンや有機酸などの栄養素を作ったり、有害物質や毒素を分解したりすることもできます。

 

2)【栄養価アップ】微生物の働きで栄養やうま味が増える

 

発酵食品に存在する微生物が、食品の成分を変えたり、新しい成分を作ったりすることで、栄養価が高くなります。

 

例えば、納豆は大豆よりもタンパク質が多くなります。タンパク質は筋肉や骨、皮膚などの体の組織を作る重要な栄養素です。また、納豆にはナットウキナーゼやビタミンK2という特別な成分ができます。ナットウキナーゼは血液の流れをスムーズにする効果があり、ビタミンK2は骨を丈夫にします。

 

また、味噌は大豆よりもアミノ酸やメラノイジンという旨味成分が増えます。アミノ酸はタンパク質の材料であり、体の機能を調整する役割をします。メラノイジンには優れた抗酸化作用があり、細胞の老化や病気の予防に役立ちます。

 

3)【消化吸収良く】微生物の働きで胃腸への負担軽減

 

発酵食品には、微生物が分解した糖質やタンパク質などの消化しやすい成分が多く含まれています。これらの成分は、胃や腸への負担を減らし、吸収率を高めます。

 

例えば、ヨーグルトは牛乳よりも乳糖が分解されているので、乳糖不耐症の人でも食べやすくなります。またチーズは牛乳よりもカルシウムが増えたり、血圧を下げるペプチドが生成されたりします。

 

発酵食品にはさまざまな種類や味があります。発酵食品を毎日摂ることで、腸内環境を改善し、健康や美容にも良い影響を与えられます。

 

腸内環境改善に役立つ「夏野菜×発酵食品」の組み合わせ

 

夏野菜と発酵食品は、それぞれに健康に役立つ効果があります。これらの効果を最大限に引き出すためには、発酵食品と夏野菜を一緒に食べることがおすすめです。
次に、夏野菜と発酵食品の組み合わせ方とメリットをご紹介します。

 

トマト×ヨーグルト

 

 

トマトにはリコピンやビタミンCなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。ヨーグルトは乳酸菌やカルシウム、タンパク質などの栄養素が多く摂れます。
これらを一緒に食べると、乳酸菌が腸内で良い働きをする菌を増やし、悪い影響を与える菌を減らして、腸内細菌のバランスを整えます。

 

リコピンは油と一緒に摂ると吸収率が高まりますが、ヨーグルトの乳脂肪もその役割を果たします。リコピンは紫外線から肌を守るだけでなく、腸内で抗酸化作用を発揮し、炎症やアレルギーを引き起こす菌の活動を抑えます。このようにして、腸内環境が改善されます。
また、リコピンとカルシウムは相乗効果で、骨や血管の健康にも役立ちます。

 

トマトとヨーグルトは甘酸っぱくてさっぱりした味わいで、暑い日にも食欲がわきます。ドレッシングやスープなどで楽しみましょう。

 

キュウリ×納豆

 

 

キュウリには水分やカリウムが豊富に含まれています。納豆にはたんぱく質やナットウキナーゼ、ビタミンK2などの栄養素が多く、乳酸菌も生きています。これらを一緒に食べると、乳酸菌が腸内細菌のバランスを整えるのに役立ちます。また、キュウリの水分は腸のぜん動運動を促進します。このようにして、腸の機能や便の状態を改善します。
また、キュウリのカリウムと納豆のナットウキナーゼは、血圧の安定やむくみの予防にも効果があります。

 

キュウリと納豆はシャキシャキとネバネバの食感が楽しいですし、納豆の風味がキュウリでさっぱりします。混ぜてごはんにかけたり、和え物やサラダにしてはいかがでしょうか。

 

オクラ×味噌

 

 

オクラにはβ-カロテンや食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。味噌には乳酸菌やアミノ酸、メラノイジンなどの有効成分が含まれています。これらを一緒に食べると、食物繊維と乳酸菌の相乗効果で、腸内で健康に役立つ菌を増やしたり、腸内の酸性度を下げて、有害な働きをする菌を抑えたりして、腸内環境を改善します。
さらに、β-カロテンは紫外線から肌を守り、メラノイジンは血糖値を安定させます。

 

オクラと味噌はネバネバとコクのある組み合わせで、ご飯のおかずにもぴったりです。炒め物や汁物、味噌和えなどがおすすめです。

 

ズッキーニ×チーズ

 

 

ズッキーニは食物繊維やβ-カロテンなどの栄養素が豊富に含まれています。チーズは乳酸菌やカルシウム、タンパク質などが多く含まれます。これらを一緒に食べると、食物繊維が乳酸菌に栄養を与えて活性化させます。乳酸菌が活発になると、腸内細菌のバランスが良くなり、便秘や下痢などの不調を防いでくれます。
また、チーズに含まれる乳脂肪分が、ズッキーニに含まれるβ-カロテンの吸収を良くして、抗酸化作用が強くなります。

 

ズッキーニとチーズはほんのり甘くて濃厚な味わいで、満足感があります。オーブン焼きやポタージュスープなどで楽しみましょう。

 

他にもコーンとチーズ、ナスとキムチなど、色々な組み合わせがあります。自分の好きな夏野菜と発酵食品を探してみてください。

 

まとめ

 

この記事では、夏野菜と発酵食品の効果とおすすめの組み合わせ方をご紹介しました。

 

夏野菜と発酵食品は、それぞれに健康に良い成分を多く含んでいます。これらを一緒に食べることで、腸内細菌のバランスを良くして、腸の働きや便の状態を改善します。また、肌や免疫力、血液や骨などの健康にも良い効果が期待できます。

 

今回ご紹介したトマト×ヨーグルト、キュウリ×納豆、オクラ×味噌、ズッキーニ×チーズなど、色々な組み合わせを試してみましょう。
夏野菜と発酵食品は腸内環境を整えるだけでなく、旬の食材の風味や栄養も存分に味わうことができます。

 

残暑を乗り切るために、夏野菜と発酵食品を毎日摂ってみてくださいね。

 

《参考URL》

養命酒製造株式会社「発酵食品の6つの効果とは?」
https://www.yomeishu.co.jp/health/3892/

みんなの発酵BLEND!byカルピス「発酵のきほん」
https://www.hakko-blend.com/study/

 

 


管理栄養士 山田 由紀子

乳幼児からご高齢者まで延べ1000人以上の栄養指導・食事相談を10年以上実践。
食情報の専門家として、栄養・料理・健康にかかわる記事の執筆、監修、レシピ作成等を行うほか、健康料理教室、味噌づくり教室、梅仕事の会を主催。

体質改善ではじめた発酵食づくりに魅了され、味噌、甘酒、塩麹、豆乳ヨーグルト、ぬか漬け、天然酵母パンなどを自宅で作り、「腸から元気になる食事」の研究に邁進中。

 

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